建築工事における死亡災害のうち木造家屋建築工事の災害の占める割合は28.8%(平成17年3月7日現在速報値)と高く、また、木造家屋建築工事の死亡災害の約8割は墜落災害によるもので、その7割が建方作業や屋根作業のときに発生しています。
建災防では、低層住宅建築工事における墜落等の労働災害を防止するため、厚生労働省から委託を受け、「低層住宅建築工事安全対策推進事業(以下「低層住宅事業」という。)」を関係団体との連携を図りながら展開しています。
この低層住宅事業は、足場先行工法の普及・定着を図るとともに、事業者・作業者の安全意識の高揚を図ることをねらいとして進め、低層住宅建築工事店社・現場の自主的安全衛生管理活動の促進と安全衛生水準の向上を目指しています。
低層住宅事業では、各種の安全衛生情報資料の提供をはじめ、次のような活動を展開しています。
(1)建地を二列に配置した二側構造の足場とする(二側足場)。
注)ブラケット−側足場のときは、建地を二本組に補強することが望ましい。
(2)良好な地盤上に建地の脚部を据付け、根がらみを取付ける。
(3)幅40cm以上の作業床を設け、手すりを取付ける。但し、敷地が狭小の場合は幅24cmとすることができる(安全帯使用)。
(4)足場の四構面を堅固に緊結し、最上部に火打ちを取付ける。
(5)屋根からの墜落防止用手すりを取付け、中桟を取付ける。
(6)昇降設備を設ける。
(1)足場の作業床の最大積載荷重を構造と材料に応じて定め、標識等により足場の見やすい場所に表示する。
(2)足場使用前に足場の状態を点検し、異常のないことを確認する。部材が取り外されていれば復元する。
(3)躯体と足場の作業床との離れが30cm以上である場所での作業や身を乗り出す作業などは、墜落のおそれがあるので安全帯を使用する。
(4)足場の手すりに登っての作業や足場上に脚立を置いての作業はしない(足場の盛替えを適切に行う)。
(5)上層階、下層階へ移動するときは、昇降設備を使用する。
低層住宅事業では、右図のような活動をしています。また、図に示したように建災防本部には低層住宅建築工事中央技術指導員、建災防支部には低層住宅建築工事技術相談員を配置し、関係者の皆さんの安全衛生活動への支援をしています。